長期ビジョン

垣根を越えて 薬の先へ
“つなぐ”ことで医療の未来を革新する

バイタルケーエスケー・グループは、「私たちは、健康で豊かな社会の実現に貢献します」を企業理念に掲げ、それぞれの地域において、医療機関、薬局、介護施設、自治体と連携し、地域の皆様と一緒になって、地域ごとに異なる医療課題の解決に取り組んできました。
長年培ってきた「つなぐ」役割を強みに、医療の未来の革新に向けて、今新たに歩み始めます。

「自立と連携により、医薬品・メディカルの持続可能な流通体制を構築」「社会課題解決と健康寿命の延伸に寄与することを目的に医療周辺ビジネスを拡大」

環境変化への対応

「信頼・挑戦・連携」という3つの価値観を大切にしながらも、これまでと同じやり方や考え方に捉われず、柔軟かつ大胆に自らのあり方を変えていき、社会環境・事業環境の変化に対応して、グループ一体となって社会の持続的な発展とバイタルケーエスケー・グループの持続的な成長、企業価値の向上に取り組んでいきます。

人口減少、少子高齢化、働き方改革、地球温暖化、都市に集中、医療偏在といった社会環境の変化、オンライン診断、医療DX、データヘルス、卸の選別、薬価改定、画期的新薬といった事業環境の変化に対して、外部環境の変化を的確にとらえ、連携・協業を通じて、医療の未来に革新をもたらし、社会に貢献することに挑戦していきます。

8つの活動領域

物流機能の高度化

3PL事業を全国へ展開

厳密な温度管理が求められる医薬品が増えるなか、サプライチェーンの強化を図り、製薬企業に選ばれる卸を目指します。3PL事業については、地域の垣根を越えて全国展開を推進します。

医療用医薬品卸売事業の刷新

エリア特性に合った事業戦略

首都圏や京阪神を中心とした大きなマーケットでのシェア拡大に向け、資源を集中的に投入。地方では、ローコストオペレーションによる効率的な流通体制を整備し、医薬品の安定供給を支えます。

メディカル関連商材の拡販

医療により深く関与

伸長を続ける治療系機器市場を取り込むため、病院の治療や医薬品、機器、診断薬などに精通した営業スタッフである「MAPs※」を新設。薬だけではなく、医療により深く関与できるよう取り組みます。
※MAPs:Medical Assist Partners

ライフサポートの充実

子育て支援や病気の予防

高齢者雇用の増加や女性の社会進出が進むなか、健康にかかわる企業として、元気で能力を存分に発揮できる職場環境を整備するとともに、他の企業にもさまざまなサービスを提供していきます。

レンタル事業の強化

医療機関だけでなく企業にも

福祉用具や家電製品、発電機など、これまでとは異なる商材を積極的に採用し、拡大が続く自治体や企業向けのレンタル需要に対応していくとともに、同事業の強化を図っていきます。

薬局事業の拡大

薬の受け取り方を変える

外来現場での専門的な薬学管理が必要な治療薬の増加、オンライン服薬指導、薬の配送サービスなど、薬の受け取り方が変化してきており、安全・安心で利便性の高いサービスの提供に取り組みます。

行政・自治体との連携

健康寿命延伸に寄与

新型コロナワクチンの配送受託や大規模接種センターの運営においては、自治体との信頼関係が大きく役立ちました。今後も、行政や自治体との連携を深め、地域の皆様の健康寿命延伸に貢献していきます。

コンパニオンアニマルとアグリテック分野の事業拡張

エリア拡大と新事業の展開

動物用医薬品卸売事業では、需要が高まると予測されるコンパニオンアニマル分野の強化に、農薬卸売事業では、人手不足対策としてドローンの活用によるスマート農業などのDX化に取り組みます。

2035年に目指す姿

医療周辺ビジネスの拡大をより一層推進し、
ROEの向上を目指す

団塊の世代が後期高齢者となる2025年が目前に控えるなか、社会構造変化を見据えた社会保障費の抑制と制度の見直しは、今後も継続するものと考えられます。バイタルケーエスケー・グループのコアビジネスである医薬品卸売事業の市場においても、底堅い需要はあるものの、累次の薬価改定など、全体としては伸長が抑制されるという状況が継続すると思われます。現在、当社グループでは、売上高の94%、営業利益の83%を医薬品卸売事業が占めています。医薬品卸売事業の市場環境が低成長であっても、企業として着実に成長し、企業価値を高めていくには、新規事業領域など医療周辺分野への取り組みを強化し、売上高や営業利益の構成を大きく変えていく必要があると考えています。新たに策定した「長期ビジョン2035」では、医薬品卸売事業に過度に依存した事業モデルからの脱却を掲げ、売上高構成比を医薬品卸売事業80%、医療周辺ビジネス20%に変化させ、営業利益においても医療周辺ビジネスの割合を40%まで高めることを、2035年に目指す姿として設定しています。

売上高構成比

2022年度の売上高構成比は、医薬品卸売事業が94%、医療周辺ビジネスが6%に対して、2035年度は医薬品卸売事業を80%、医療周辺ビジネスを20%に変化させることと設定しています

営業利益構成比

2022年度の営業利益構成比が医薬品卸売事業が17%、医療周辺ビジネスが83%に対して、2035年度は医薬品卸売事業を60%、医療周辺ビジネスを40%に変化させることと設定しています